アメリカン・スタイルの釣り?

バス・フィッシング
トローリングのメッカ(ハワイ)
アメ車のミーティング


 伝統的な日本のゲームフィッシングと言うと、ヘラブナ釣り・アユ釣り・タナゴ釣り等が代表的な釣りでしょう。これらの釣りをよく調べてみると、どの釣りにも精細さがあり、どちらかと言うと‘待ち’の釣りの様に思えます。ヘラブナ釣りも粉製のエサをベースにバラケ餌と食わせ餌によって、バイトに持込む訳ですがバラケ餌の魚集効果によって、徐々にヘラブナを集めジャミアタリの中に本命のヘラの当りを見つけ合わせて釣ります。その為、細長い棒状のウキでないと当りを取る事が出来ません。 アユ釣りの場合は、闘争本能を利用して、オトリを使い引っかけて捕まえる訳で、オトリの後ろには目では見えない様な極細のラインを付けて、更にカケ針も何処に付けているのか分からないくらい細く小さな針を使います。 そして、オトリをアユに近づけ引っかかるのを待つのです。 タナゴ釣りは、関東地方を代表する伝統的な釣りで、まさに精細さを楽しむ釣りと言えます。 体長5cmに満たないタナゴを、拡大鏡で見ないとハリスが結べない様な釣り針を使い、筆と言う15〜20本継ぎで、たったの2m位の筆を遣って釣りますが、これは相手がタナゴだからと言う事でしょう。 その他にも、昔からある餌木を使ったイカ釣りや、光玉とゴム片で出来たギジバリを使うボラカケ等もあります。 しかし、これは食料を得る為に使われた釣り方でゲームフィッシングと言うよりも、どちらかと言うと漁法の一つと言えます。 一方、大陸文化を持つアメリカ合衆国では、古くからリールを使った釣りが行われ、内陸部ではブラックバスやパイク、海ではマーリン(カジキ)やターポン等がルアーによって釣られていました。特に、大西洋に面したフロリダ半島では釣りをスポーツと考える様な団体や協会があり、ゲーム性やスポーツ性を重視しながら発展を遂げ今日に至っています。基本的に日本と違うのは、精細な事を楽しむ日本人と派手さを楽しむアメリカ人との人種的違いと、アメリカでは魚食文化から引継がれた釣り方等は、殆ど無いと言う事です。対象魚から見ても、アメリカ人に人気のある代表的な魚は、ブラックバスを始めパイク、ストライプトバス、ターポン、マーリン、スヌーク等でジャンプのしない魚は、あまり人気が無い様です。 逆に、日本では、ジャンプのしないマダイやヒラメでも食って旨い事から人気があります。確かに釣って面白い魚と言うと、ジャンプを繰り返し引きが強く、ルアーやフライに良く反応してくれる魚の事かもしれません。これは何も釣りだけの話ではありません。どうも、アメリカ人は日本人と違い、あらゆる遊びの面で派手さと豪快さを求める人種ではないでしょうか? アメリカで最も人気のあるモータースポーツと言うと、インディーカーレースとドラッグレースですが、どちらもコースの無い単純なレースで派手にペイントされたモンスターマシーンが走る姿は迫力物です。何もそこまで派手に塗らなくてもいいのにとまで思ってしまします。 アメリカのバストーナメントシーンもそうですが、まるでラブホテルの浴室にある椅子の様なラメ塗装のバスボートに200馬力の船外機エンジン、それに記録式の魚探やエレクトリックモーター等フル装備のボートで一斉にバス釣りを競うわけで、当然プロトーナメントがあります。 島国の文化の中で釣りを覚えた我々が、大陸文化の中で発展した釣りのスタイルを見ても違いを感じるのも当然かも知れませんが、広大な大陸に住む人達は自然に性格も考え方も寛大で、派手になるかも知れません。フライフィッシングの例を見ても同じで、もともと英国の貴族の遊びだった毛バリを使ったマス釣りがアメリカ大陸に伝わると、バスやパイク、海ではターポンやパーミット、更には外洋のマーリン迄フライで釣ってしまった訳で、ここでもアメリカ人の豪快なチャレンジ精神が伺えます。 しかし、伝統を重んじる英国人は、今も真のフライフィッシングはドライフライでマスを釣るものだと思っている様です。その為か、大型の毛バリ(ストリーマー等)はフライと呼ばれずに、ルアーと呼ばれています。 けれども、近頃の日本の釣りもバスフィッシングのブームで、少しは変わったと思いませんか?食料を得る為に魚を釣るのでは無く、釣りそのものを楽しむ人達が増えた様な気がします。釣った魚をリリースする人の姿も見かける様になりました。 又本来、日本にいるコイやスズキをフライフィッシングで狙うスマート?なアングラーも見かけます。もしかすると、日本のアングラーも次第に‘アメリカかぶれ’してきているのかも知れません。 伝統を守る事も大切ですが、新たな釣りのスタイルを見出す事も大切と思います。 但、新たな釣りのスタイルが自然環境の破壊や、魚族資源の減少を招かない様に釣り人自身がコントロールしなければなりません。 釣り道具の新兵器は、使い方を一歩間違えると大変な事態を招く事もある訳です。 所で、貴方の釣りはアメリカスタイル?それともジャパニーズスタイル?






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