アングラーはアクアリスト?

アクアリウムによって水中を再現 淀川で採集した小魚 猪名川水系の小魚

昔から「戦に勝つには、敵を知れ!」と言われますが釣りの世界においても同じ事が言えると思います。釣りの場合(敵)とは言いませんが遊び相手となる(魚)を釣るためには、まず魚の事を知らねばなりません。釣ろうとする(魚)がどの様な行動をするか?どの様な習性を持っているか?どの様な捕食行動をとるか?等。しかし実際に水の中で見る事は、大変難しく、ほとんどは、アングラーの想像と憶測によって決めつけている場合が多いと思われます。けれども唯一水中の一部を再現できる方法があります。水槽によって魚を飼育し観察する事によって魚の生態を知る事が出来るのです。何年か前に一時(アクアリウムブーム)というのがありましたがこのブームは、室内のインテリアとして水草と熱帯魚によって水中を再現するものでした。釣り人の中にも(魚)という生き物が好きで釣りをしている人も少なくないと思いますがそういう釣り人は1度や2度くらいは、魚を飼育した事があると思われます。何も釣りの対象となる魚を飼わなければ生態が解らないかと言うとそういうものでもありません。たとえ金魚やコイでも飼ってみると意外な生態や行動がわかりすぐさま、自らの釣りの参考になったりするものです。私の場合、遊園地の池のニシキゴイがエサを食うのを見て、必殺のコイ用ドライフライを思いつき、かなり実績をあげています。(パターン集にないフライ参照)。又、釣って来たカサゴを飼っていた時に必殺のカサゴリグ(株式会社オーナーバリ出版パブリックベイエリア参照)を思いつきました。どんな魚でも飼ってみると今まで気がつかなかった習性や捕食パターンがあるものでそのパターンを知っていればそのまま自らの釣りにおきかえればいいと思います。

特注の水槽で水棲昆虫の観察 オヤニラミ(採集地兵庫県夢前川) 問題のブラックバスとブルーギル(1977年)

中には、マニアックなアクアリストもいて、普通の人の飼っているような魚に飽き足らず珍しい魚や飼育が困難とされるような魚を好んで飼おうとする人もいます。何もそこまでして飼う必要もないと思いますが、どうしてもそういう魚の生態を見たいと言うのであれば日本各地にある水族館に行く事をお薦めします。水族館には、家で飼う事の出来ない様な大型の魚を見る事が出来ます。出来ればそれらの魚に餌を与える時間帯に行けば、さらに参考になると思います。私も大阪の港区にある海遊館の大型水槽の前でいつもジギングのシュミレーションをしています。海遊館の大型水槽には、中層を泳ぐ回遊魚からハタ類等の根魚まで飼育されており、1日中見ていてもあきないくらいです。もう1つのお薦めは、各地の観光スポットにある海中公園に行けば自然界の魚の生態をそのまま観察する事が出来ます。これだとダイビングが出来ない人にもOKです。私の場合、和歌山県の潮岬にヒラスズキを釣りに行った帰り、いつも串本町の鋪浦にある串本海中公園センターの海中展望台に寄って帰ります。串本海中公園センターと言うとSPLASHのメンバーの宇井晋介氏が勤務する海中公園で展望台に集まって来る魚や海草の生え具合で潮岬の水温やベイトフィッシュの種類まで知る事が出来るのです。この様に魚を釣るには、まず魚をよく観察し、シュミレーションした上で釣りの仕掛け、あるいは、ルアーのセレクト、アクションのつけ方、ファイトの仕方に至るまでかなり参考になる事は、間違いないでしょう。その他にもマニアックなフライマンは、よく水棲昆虫を観察し、自分の使うフライ(毛針)をタイイングするのに参考にしています。水棲昆虫とそれを捕食するターゲットとが密接な関係にある事はよく知られていますが水中での水棲昆虫の生態ほど観察するのが大変な事はありません。それこそシュノーケリングで10℃以下の冷たい渓流に潜らなければなりません。そこで私の場合は、特注で冷却装置付の水棲昆虫専用飼育ケースを作り、水中での泳ぎ方や、羽化の様子を観察し、かなりの実績を上げています。(これは、ウソ!あまり釣れてません)。しかし、ここまで来ると、もうアクアリストの領域ではないのでは?と思います。私の友人のT.S君は、ブラックバスの生態を観察するのに自分の家の庭にバス専用の池を掘って自作プラグのテストをしています。(私には、自宅でバスフィッシングを楽しんでいるだけにしか見えませんが・・・・)。

琵琶湖水系の魚 熱帯性海水魚 純淡水飼育のシマイサキ




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