チューニングバスボート

スキーター・スターファイヤー
ヘルメットも必要品!
チューニング・バスボート


 近年、琵琶湖等で走り回っているバスボートは元々、アメリカ本土で行われている、バストーナメント様に設計されたボートで、如何に早くポイントへ到着し、そして効率よくバスを探し、そして釣ったバスを生かしたままウェイン会場へ持込む事を重点に設計されています。 しかし、一般にトーナメントバサー以外の釣人がプライベートで琵琶湖のバス釣りを楽しむとした場合、トーナメントバスボートが必ずしも琵琶湖に合っているかと言うとそうでも無い訳で、先ず、琵琶湖と言う特殊なフィールド?は止水域の多いアメリカ本土のリザーバーと違い、まるで外洋のごとく波が立つ事もよくあります。その為、琵琶湖でバスボートを所有している人の多くが振動による故障に悩まされている様です。波のある時に、バスボートを滑走させるとハル(船底)に打ち付ける波の衝撃は想像を絶するもので、まるでコンクリートにボートを打ち付けているかの様な衝撃があります。その為、ハルが剥離したり振動で電気系統に故障が生じたりと思わぬトラブルが起こります。一番良いのは、波のある日にはボートを出さない事ですが、そうは行かない事でしょう。 本当ならば、最初から波に強いボートを選べば良いのですが、一般に波に強いとされるV底がきつく、吃水の高いボートはカッコの点から若い人達には受けが悪い様です。やはり、Vのゆるい吃水の低いトーナメントバスボートに人気が集中しています。
 琵琶湖で人気のあるバスボートには、レインジャーボート・チャンピオンボート・スキーター・ギャンブラー・ストラトス・アストロ等があり、20フィート前後のボートならば150馬力から最近では、250馬力位のエンジンも積まれています。150馬力以上のエンジンだと時速は100km/hを優に越えます。水面上での100km/hは、かなりのスピード感があります。20フィート前後のボートに200馬力の船外機エンジンと言うと、当然オーバーパワー気味で初期の頃輸入されたバスボートの船検証には、スロットルワイヤーにチューブを取り付け、一定の回転以上に回転を上げ無い様な条件が書かれていました。 しかし、バスボートを楽しむと言う事になると、釣果と同様このスピードがたまらない人も多いはず。 私もその1人で、バスボートのチーニングには車と同じく 興味をそそがれました。 しかし、車と違うのは、エンジンのベースが基本的に2ストロークのV型であると言う事と、パワー(動力)を地面では無く、どの様に水に伝えるかと言う事でかなり違っています。 但、車もボートもチューニングの度合いが高くなればなる程、耐久力の面と乗り易さの面でリスクを負う事になります。乗り易く、尚且つ早く走れ、耐久力もあるバスボートを造らなければなりません。 150馬力以上の船外機エンジンは、基本的に2ストロークのV型エンジンで排気量で言うとおよそ2000から3000cc程有ります。その為、チューニングするとしてもエンジンの内部を触る事は、殆ど必要がありません。となると、吸気系と排気系と言う事になりますが、これもキャブレター仕様のエンジンであればキャブレター(気化機)をいじる事が出来ますが、最近のエンジンは殆どがインジェクションシステムになっている為、余程の経験が無いとさわれないと言われています。 となると、次はエンジン以外と言う事になります。持て余す程のパワーをフルに水に伝えるには、先ず抵抗を極力減らす必要があります。ボートが滑走する時に生じる水の抵抗は、空気より多く、先ず水の抵抗を減らす事が最大のチューニング方法かもしれません。当たり前の事でボートの水に触れている部分を出来るだけ少なくすると良いでしょう。 即ち、プレーニング(滑走状態)で走れば良い訳で後はスクリューの回転数が如何に水を捕えているかと言う事でしょう。 エンジンの下のトランサム部分は油圧、若しくは、手動によって上下する事が出来るシステムがあり、滑走姿勢を変えたり波による衝撃を和らげたりする時に使われます。 「ジャクプレート」と呼ばれる物は、殆どがアメリカ製で油圧系の故障が多く、耐久性に欠ける点もありますが、バスボートには欠かす事の出来ない装置なのです。
 次ぎは、スクリュー、属にペラと呼ばれていますが、ペラにも幾つかの種類があり、ピッチ(角度)のきついものから緩いもの5枚羽のもの迄、数多く市販されています。スクリューを選ぶ場合は先ず回転数に応じたものを選ばなくてはなりません。抵抗が大きく回転数が上がらなかったり、回り過ぎるスクリューもエンジントラブルを起こす事があります。 もう一つ知っておかなければならないのは水にも粘度、即ち粘りがあると言う事です。以前、外国通販のカタログでスクリューを輸入した際、カタログデータとは全く違い、使い物にならなかった事がありました。やはり、アメリカ本土の湖と琵琶湖とではかなりの違いがある様です。 スクリューの使い分けとしては、プレーニングを早くするのであればピッチのゆるいペラを、速度を上げるのであればピッチのきついペラが必要であすが、中にはチョッパータイプのペラや5枚羽のペラも有りますが、これらのペラも回転数に上手くフィットすればトリッキーなパワーが得られます。 その他にも、抵抗を更に少なくする、ノーズコーンと呼ばれる競技用パーツ等もあります。 要は、水の抵抗を最小限に減らし尚且つ回転数に合ったピッチのスクリューを選ぶ事なのです。 後は、ボートを操船するドライバーの腕にかかってきますが高速走行するには、それなりのテクニックも必要です。 200馬力クラスのバスボートになると、ペラに受ける水の抵抗はかなりのもので5,000回転を越えると、まるでロックされた様にハンドルが動かなくなります。その為ハンドルを切るには、そこそこの腕力が必要です。両手を使わなければならない為、アクセルはフットアクセルに変えた方が良いでしょう。 又、冬場にバスボートを使用する時は、必ずグローブとフルフェイスのヘルメットを忘れずに。
 私の場合バスボートを購入してからと言うものの、さっぱり釣果に恵まれませんでした。走り回るのがあまりにも面白い為、釣りに身が入らずかえってアルミボートやカヌーに乗っていた時の方が良く釣れた気がしています。 釣る為だけなら、アルミボートで充分と思っているのは、私だけでしょうか…?

ターボ・プロップ
200馬力船外機(故障?)
レース用エンジン



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