琵琶湖のゲームフィッシュ

(画像をクリックすると、新しい画面で大きくなります)

ビワマス
コイ
 琵琶湖は滋賀県にある日本一大きな湖で、関西の水瓶と言われています。 又、淡水魚の宝庫であもり、日本産の淡水魚の約6割がこの琵琶湖と、そこから流れる淀川水系にいるとされています。私も大阪に住んでいる為、昔から琵琶湖には馴染みが深く琵琶湖にいる殆どの魚を釣った事があります。しかし、最近はこの琵琶湖で様々な問題が起こっています。一つは、環境問題を含めた水質汚染と湖岸工事、プレジャーボートの規制、そして最近は外来魚問題・・・と。今の琵琶湖は問題だらけの湖なのです。私が中学生の頃(1973年)は、ほんとど平和な湖だったのに・・・。今から思えば、その頃は魚もよく釣れました。1984年頃から問題のブラックバスが釣れ始め、1988年頃から琵琶湖でもバストーナメントが行われる様になり、第3期?のバスブームが訪れました。私も一時は、琵琶湖のバスに熱くなり200馬力のトーナメントバスボートまでも買ってしまいました。けれども、琵琶湖にはバスやブルーギルがやって来る前から先住のゲームフィッシュ達がいる事も知っていました。琵琶湖に住むルアーの対象魚と言うと、ウグイ・ハス(ケタバス)・ニゴイ・コウライニゴイ・コイ・ナマズ・ビワコオオナマズ・イワトコナマズ・ビワマス・カムルチーがいます。中でも、ビワマス・イワトコナマズ・ビワコオオナマズは、琵琶湖特産のゲームフィッシュです。1年を通して、琵琶湖でルアーフィッシングを楽しむならば、先ず4月のウグイ狙いから始めます。本湖から産卵する為に、ウグイが河口へと集まる為、河口近くの砂浜からスピナーか小型のスプーンを使って狙います。5月になると、沖合いで小型ボートを使ったビワマスのトローリングが楽しめますが、マニアックな人はオイカワの幼魚をエサに、ライブベイトフィッシングで釣る人もいます。6月になって梅雨に入ると、産卵を意識して沖合いの深場から接岸してくるビワコオオナマズとイワトコナマズが狙えます。又大雨の後は、ナマズも姿もを見せます。過去に釣雑誌「関西のつり」丘洋社の取材で、ビワコオオナマズとナマズ、それにイワトコナマズを一晩で釣り、日本産ナマズ類のグランドスラムを達成した事がありました。夏になると、スプーンとフライを使ったハス(ケタバス)釣りが面白く、大型のスプーンにも大胆に食ってくる食性には驚かされます。秋口になると、小型ミノーで釣る大型のニゴイ(コウライニゴイも混じる)もよく引きます。コウライニゴイだと大型は、70センチにもなり、4ポンドクラスのウルトラライトタックルでのファイトは、迫力物ですヨッ!10月の終わりになると、再びケタバスの大型がつれますが、この時期は間違ってスプーンにビワマスがバイトして来る事があります。この時期のビワマスは、婚姻色が美しく顔がイカツイのが特徴です。この様に私の場合、今も一年を通じて多くのゲームフィッシュと遊んでいます。それならば、何もバスやブルーギルを釣らなくても良いのでは?と思われますが、実はこのゲームフィッシュも最近では、本当に釣れなくなってしまいました。原因は?と言うと、最後の問題である外来魚?と決め付けるのは問題だと思います。何故ならば、これらの対象魚はフィッシュイーターで食物連鎖の頂点にある魚種なのです。これらの魚は、バスやブルーギルのやって来る以前から、この琵琶湖の生態系の中にいた魚達です。それが、近年バスとブルーギルの増加によって、駈遂されつつあるのでは?と言う心配の意見もあります。確かに永年、琵琶湖で漁師をされて来た人の話では、水産資源であるホンモロコやニゴロブナは本当に少なくなったとの事。しかし、佃煮にする小アユは今年(2002年)は、大変豊漁だったそうです。小アユやイサザは、バスやブルーギルと生活するエリアが違う為、遭遇する確率から言ってもかなり低く、逆にホンモロコやニゴロブナの生育場所は、バスやブルーギルとにている事から遭遇する確率も高く、食われてしまっているのでは?と言う事になりますが、これも違う様な気がします。何故ならば、バスやブルーギルが入る前から琵琶湖には、ハスやナマズ・ニゴイや雷魚等も多数生育しており、又、卵や稚魚を食うとされるブルーギルに似た食性の魚では、ウグイやヨシノボリ・ズナガニゴイ・ヤリタナゴ等の大型タナゴ類も良く他魚の卵を食う事で知られています。だとすると、原因はおそらく、琵琶湖の環境そのものにあると言う事になります。琵琶湖岸に自生するアシやヨシを刈り取ってしまって、コンクリートで固めた湖岸が増えました。湖岸に自生するアシやヨシは、泥の中に長く根を張り水を浄化する大切な役目をする他、琵琶湖に生育する魚類の産卵の場所としても大きな役割を果たしているのです。そのアシやヨシを刈り取ってしまっては、当然水質は悪くなり魚類の繁殖に影響を与えている事に、間違い無いでしょう。バスやブルーギルのせいにする前に、もう一度琵琶湖を取り巻く環境を見つめ直すべきではないでしょうか?
ビワコオオナマズ
コウライニゴイ
イワトコナマズ
ニゴイ
ナマズ
ウグイ
ハス
ワタカ



■松浦昌治スペシャルのトップに戻る■



index に戻る