ビワコオオナマズ

ビワコオオナマズってどんな魚?  

ビワコオオナマズは、学名Silurus Biwaensisと言います。Biwaensisと言うくらいで、琵琶湖の特産種ですが、琵琶湖から流れ出る瀬田川・宇治川、それに稀に淀川本流にも生息しています。
ビワコオオナマズは、日本にいるナマズ類中最大と言うだけでは無く、純日本産の在来淡水魚の中でも最大と言う事になります。過去に私の釣った最大級のビワコオオナマズは、1998年6月に湖東で釣った推定23kgで20kgバカリの針を振り切って、しかも尾が地面に着いていました。しかし、昔から琵琶湖で漁をされている知合いの漁師さんは、過去に30kgを超えるビワコオオナマズがエリに入った事があると、言っていました。果たして、最大のものはどれくらいになるのでしょうか?ビワコオオナマズは、普段、湖底の水深30〜50mくらいの岩礁の間に潜み日が暮れると湖の中層、稀に表層に現れ活発にエサを獲る様で、岸近くにも回遊してくるが、冬場は殆ど浅場には現れる事は無い様です。食性はかなり荒く、過去に釣った1mを超えるビワコオオナマズが吐き出した物には、40cmクラスのブラックバスや30cmクラスのニゴイ等がありました。又、漁師さんの話によると、沖合いに仕掛けたビワマスを獲る刺網に稀にビワコオオナマズが掛かる事があるそうで、しかも網に掛かったビワマスがビワコオオナマズに噛まれていると言う話を聞いた事があります。敏感なビワマスを食うぐらいだから、かなりの高速で泳ぎ回っていると考えられます。ビワコオオナマズの産卵は、6〜8月頃の大雨の降った後の濁った湖岸に集団で接岸し、メスの体にオスが巻き付く様に産卵します。1mを超えるのは殆どがメスで、オスはせいぜい80cm位と言った所です。多い時には、100匹を超えるビワコオオナマズが一斉に接岸する事もありますが、近年湖岸工事の為か、昔に比べ接岸する数が少なくなっている様な気がします。ビワコオオナマズにも幾つかのタイプがあり、場所によって独自の生態を持っている様です。
琵琶湖内に生息するビワコオオナマズにも、湖北型と湖東型に分かれ、それぞれの産卵場所が異なります。湖北型?のビワコオオナマズは奥手湾周辺を棲み家とし、その付近で産卵も行っている様です。
湖東型は、沖ノ島周辺を棲み家として、姉川迄の砂利浜を産卵場所としている様です。
それでは、瀬田川や宇治川に生息するビワコオオナマズは?と言うと明らかではありませんがおそらく琵琶湖本湖の様な深場と浅場とを行き来するのでは無く、河川型?(一生を川で過ごす為産卵も川の中で行われている)ものと考えられます。又、ビワコオオナマズは定着性があり、湖北と湖南を移動する事はありません。

いつ、何処で釣れるの?

ビワコオオナマズにも幾つかのタイプがあり、場所によってそれぞれの特徴を持っています。
まず、琵琶湖本湖に生息するビワコオオナマズは普段、沖合いの深場にいる為、岸からルアーで狙うのは殆ど無理と言えるでしょう。しかし、本湖のビワコオオナマズは、5〜8月にかけて産卵を意識し浅場へと回遊してくる為、確率的に見てもこの時期は外せません。けれども、琵琶湖の何処にでも回遊してくるかと言うとそう言う訳では無く、ある程度魚影の濃い場所を絞り込まなければなりません。琵琶湖本湖に住むビワコオオナマズには、大きく分けて2つのタイプがあります。 一つは、湖北型?ともう一つは湖東型?に分かれます。湖北型を狙うのであれば、安曇川以北の芦の生えた砂利浜や岩場がポイントになります。湖東型を狙うのであれば、沖ノ島以北の砂利浜にポイントを絞れば良いでしょう。 もう一つのタイプは、瀬田川や宇治川にいる河川型と言うタイプで、このタイプのビワコオオナマズは、1年を通じて狙う事が出来ます。時期的には、本湖にいるビワコオオナマズと同じですが、特に雨後の増水時に活発に活動する為、雨の多い梅雨時がベストシーズンとなります。又、濁りの入った時には日中でも十分狙う事が出来ます。本湖で狙う場合も同じで、雨後の増水時で出来れば湖岸に濁りが入った時が狙い時と言えます。 時間帯としては、夜行性のゆえ日没から夜明け迄が最も確率が高く、逆に日中は深場へと移動する為、確率はぐんと下がります。


ビワコオオナマズのタックルは?

使うルアーのサイズと魚の大きさから設定するとすれば、12〜20ポンドライン使用のタックルと言う事になります。しかし、キャスト数が多い釣りの為、ヘビーなタックルでは体力を消耗し又、ゲーム性を低下させる事になります。となると、やはり基本的にバスタックルとなるでしょう。
ショアからの場合、ある程度の飛距離を稼ぐ必要があります。その為には、バスタックルもキャスティング性能を重視したものでなければなりません。セミダブルのクランキングロッドやファーストテーパーのフィリッピングロッドを代用するのも良いでしょう。スピニングタックルでも問題は無いのですが、ラインのヨレや、リフトパワーの事を考えるとベイトロッドが有利と言えます。ビワコオオナマズはナマズとは言え、大型で引きにトルクがあります。その為に、ロッドにある程度、リフトパワーとドラッグの効くリールが必要です。ルアーは、アピールカがあるものに実績があり大きくウォブリングするミノーやラトル入りのバイブレーション、時期によっては大型のスプーン等も使えます。又、河川で狙う時は、ノイジータイプのトップウォーターやツインブレードのスピナーベイトも良いでしょう。要は、アピールカがあり、尚且つロッドで振り切れるウェイトであると言う事です。


ビワコオオナマズの狙い方は?

ビワコオオナマズは、琵琶湖とそこから流れ出る瀬田川・宇治川・淀川に生息しています。
普段は、湖底の水深20〜50mに住んでいますが夜になると中層若しくは表層に迄浮上し餌をあさります。従って、狙う時問帯も夕暮れから明朝迄となります。しかし、瀬田川や宇治川の様な河川では、しばしば大雨で濁りが入りこの様な時は日中でも狙う事が出来ますが、琵琶湖の本湖で狙う時は、予め回遊してくるポイントを絞らなければなりません。広い琵琶湖に向かって闇雲にキャストしてもビワコオオナマズに当る確率は殆ど無いと言って良いでしょう。
先ず、深場から一気にかけ上がる様な場所を選ばなくてはなりません。次に、ビワコオオナマズの餌が多くいる様な場所(ワンド状の地形やストラクチャーのある場所)を探します。 琵琶湖で言うと湖北から湖東、沖ノ島周辺にかけてこの様なポイントが多く点在しています。 又、琵琶湖の沿岸は砂浜か若しくは砂利浜になっている事が多く、ウェーディングする必要がありますが、いきなり立ち込むと岸に寄っていたビワコオオナマズにプレッシャーを与える事になります。先ず、手前から徐々に探りながら時々場所を移動して行く様にすると良いでしょう。キャストする際は、周りに十分気を付け出来る限り広範囲に探ると効果的です。ルアーのリトリーブスピードはタイプによって異なりますが、ビコワオオナマズは意外と早く泳ぎ回り餌をまる飲みするそうです。この事から考えても、ルアーのリトリーブスピードは速目の方がアピールカがある様です。ビワコオオナマズは、ジャンプやエラ洗いをする事はありません。 従ってルアーのフックは、バーブレスにしておいた方が貫通力があり一発でビワコオオナマズのアゴを捕らえます。又、リリース時にもフックを外し易いと言う利点もあります。瀬田川や宇治川等の河川を狙う場合は、雨の後の増水時に流れの澱みを重点的に狙います。その際、本湖で狙うのと違い、根づれやあるいは流れの流心に入り込まれ、あえ無くラインブレイクと言う事にもなりかねません。太目のショックリーダーを使うか、もう1ランク上のタックルで臨む様にしましょう。河川の場合、濁った状態が続くと流れの緩い浅場にいる事が多く、この様な場所ではトップウォータープラグやサーフェイスルアーでも狙う事が出来ます。トップウォータールアーを使う場合は、ポッパーやスイッシャーよりも断続的に音の出るノイジィータイプが良くサーフェイスルアーを使う場合も同じで、ラトルの込った大き目のルアーに分がある様です。 やはり、ビワコオオナマズは、視力よりも音に良く反応する様です。


松浦昌治のビワコオオナマズに関するスーパーべ一シック!

ビワコオオナマズ(Silurus Biwaensis)は、琵琶湖と瀬田川・宇治川・淀川等に生息していますが、琵琶湖本湖に生息しているビワコオオナマズには、大きく分けると2つのタイプがある様です。瀬田川・宇治川に住むビワコオオナマズにも、幾つかのタイプ?があると言われてます。琵琶湖の本湖に住むビワコオオナマズは、湖北の深場を棲み家とする「湖北型?」と沖ノ島周辺から湖東にかけて生息する「湖東型?」の2つに分れます。湖北型は、安曇川から奥手湾にかけて多く生息し、普段は沖合の30〜50m位の湖底に住んでいて、夕暮れから朝にかけては、かなり沿岸に接岸する様です。この事は、湾内の浅場に仕掛けられているエリに時々ビワコオオナマズが入る事からも立証されています。又、漁師さんの話によると、竹生島の沖に仕掛けられたビワマスを捕る網にも時々ビワコオオナマズが掛かり、ビワマスがビワコオオナマズに噛まれて、無残な姿になっているそうです。普段は、深い湖底に潜むビワコオオナマズも夜になるとかなりの範囲を行動し、それだけの魚体を維持する為に相当量の餌を摂取している事に間違い無いでしよう。「湖東型?」は、湖北型に比べると幾分浅場を棲み家とし行動範囲も狭い様に思われます。沖ノ島周辺では、4月上旬から狙って釣る事が出来ますが、やはり、湖北に比べると水温の上昇が早い為と考えられます。それに、バスフィッシングの最中に外道として釣れる事がよくあります。

     


湖北にいるビワコオオナマズと湖東にいるビワコオオナマズとでは、明らかに体色が異なります。湖北に作むものは、背中が黒く腹側が真っ白なのに対して、湖東や南湖に住む個体は背中が灰色か少し緑がかった固体が多く、又南湖や瀬田川、宇治川に住む個体はガラ模様のあるものもいます。(原色淡水魚類検査図鑑には、ビワコオオナマズは体に雲状斑が無い)と書かれていますが、何匹ものガラ模様のある個体を確認しています。 もしかすると、ナマズ(Silurus asotus)との交配種かも?これらのカラーバリエーションはおそらく住んでいる環境の違いによるものと考えられます。琵琶湖の更に下流域である木津川や淀川にもビワコオオナマズが生息していますが、数(密度)から言うと余り多くはありません。今までで一番下流で釣ったのは、6月上旬に大阪市都島区の毛馬水門下で、シーバス狙いの外道として、96cmを釣った事があります。今の所、ビワコオオナマズの資源については研究している機関が無い為減っているかどうかは解りませんが、ビワコオオナマズも琵琶湖の食物連鎖上では頂点に位置する為、その数も限られています。釣った後は、出来る限りダメージ無くリリースする様に心掛けましょう。まさか、ビワコオオナマズを持って帰って食べる人はいないと思いますが…。



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