サクラマス

サクラマスってどんな魚?

サクラマスは、サケ科に属し学名をOncorhynchus Masouと言います。
特徴としては、D.11〜14;A.11〜14;Sc.112〜137,25〜35/21〜32;GR.4〜9+8〜11=14〜19;Pyl.20〜57渓流の女王と呼ばれているヤマメの隆海型で生後1年半で海へ下り、海の中では中層を回遊し小魚や小イカ等を主に捕食します。降海する前のサクラマスの幼魚は、斑紋が無くなり全身は銀色で属にギンケヤマメなどと言われ、ますが、産卵期に入った成魚は、雲状の模様が出て口の周りが黒味を帯びてきます。東北地方では(海マス)と言って、胴突サビキ等で専門に釣らせる遊魚船もあります。海に下ったサクラマスは、約1年を海で過ごし翌春の桜の咲き始める頃に再び川に戻ってきます。そして、徐々に川を朔り、その年の8〜11月にかけて川の上流部で産卵します。産卵期は、北日本程早く、産卵行動に降海しない(ヤマメ)が産卵に参加する事もあります。この事から見ても、ヤマメとサクラマスは同種である事が言えます。ダム等が出来た為にランドロックされ降海出来なくなったヤマメが大型化したり、湖に移植されたヤマメが大型化する例は良く知られています。日本での主な分布は、北海道全域と本州では日本海側と関東以北、それに九州の一部に生育しています。又、北海道に生息するサクラマスは、殆どが海に下ると言われています。北海道のサクラマスはオホーツク海の河川と目本海側の河川、それに太平洋側の河川でそれぞれ降海の時期や海遊などが異なります。その他にも、朝鮮半島やシベリア、沿海州などにも分布している事が解っています。


いつ頃釣れるのか?

サクラマスの釣れる時期は、桜の咲く頃と言うのは間違いでサクラマスはほぼ1年中釣る事が出来ます。海の中を回遊している時期は、ボートからジギングや希にショアからのキャスティングで釣る事が出来るのと、ランドロックされたサクラマスや移植されたサクラマスは、ほぼ一年中狙う事が出来ます。しかし、ルアーやフライを使って、しかもゲーム性のある狙い方を…と言うのであれば、やはり河川に入ってからのサクラマスを川岸からと言う事になるでしょう。とするとやはり、川を上り始めた春先から産卵を意識し出す7月頃迄となります。しかし、河川によっては、解禁の時期が違う為気を付ける様にしましょう。サクラマスの食性からみると、海の中にいる時は主に小魚を捕食している為、川に入ってしばらくはルアーやフライによく反応しますが、その後は次第に食性が変る為かルアーやフライヘの反応が鈍くなります。したがって、ルアーフライで狙うのであれば、春先3〜5月頃がベストと言えるでしょう。又、フライフィツシングで狙う場所は、食性が小魚から川虫等に変る5月以降が良い場合もあります。


サクラマスのタツクルは?

基本的には、6ポンド〜12ポンド位迄のラインを使うスピニングタックルがスタンダードと言えます。ベイトタックルの場合は、使うルアーのウェイトが軽い事から適当とは言えません。各メーカーからサクラマス専用のロッドが市販されていますが、ロッドの長さは、ポイントによって異なります。トラウトロッドと称して売られているロッドは、殆どがファーストテーパーで軽いミノーも容易に投げられる様、設計されています。長さも5.5〜8フィート位迄で、中にはミノーイング専用ロッド等と言うのも市販されています。当然、川幅のある所では、ロングロッドが。又、水没した岩の影等小ワザを効かせる場合は、ショートロツドが使い易いでしょう。最近は、水の抵抗の少ないハイテクラインを使うアングラーも増えていますが、ハイテクラインの特性を知った上で、ロツドを選ばなくてはなりません。ハイテクラインは、ナイロンラインと違い全くと言って言い程、延びが無く水の抵抗が少ないのが特徴です。その為、高弾性のロッドを使うとルアーを弾き飛ばされたり、一瞬にして強いテンションが掛かる為フックが延びたり、あるいは折れたりする事もよくあります。特に、サクラマスのアタックはスピードがあり、手前でヒットする事もよくあります。ある程度の柔軟性が無いと、フックを確実に掛ける事が出来ません。リールはロッドに合った、スピニングリールで、ハンドリングが軽くドラッグ性能の優れた物を選ばなくてはなりません。キャストする回数が多いと、瞬間的に反転したりするサクラマスのファイトをあしらうには、滑らかにラインをリリース出来るドラッグが必要となります。又、マニアックなアングラーは、パラボリックアクションのフライロツドを改造して、ハイテクライン専用のサクラマスロツドを自作したり、あえてグラス製のスピニングロツドをハイテクライン用として、代用しています。
ルアーは、ミノーとスプーンがメインとなります。ミノーに関しては、数年前からサクラマス専用として重心移動システムの小型のミノーが売られる様になりました。タイプもフローティングからサスペンドやシンキング、それにディープダイバー等、小型の割にはアクションの安定した物も多く売られる様になりました。スプーンも数社からサクラマス用として出されていますが、スプーンは比較的、細身で肉厚のある物が使い易く、流れのあるポイントでは、幅広の抵抗のあるスプーンは浮き上がってしまう為、不向きと言えます。
フライフィッシングで狙う場合は、基本的にストリーマー等ウェットフライを使う釣りになりますが欧米で行われているダブルハンドルを使ったサーモンフィツシングのスタイルを、そのまま用いる事も出来ます。この場合は、メンディングによってフライを手返しよく流すメソッドやいわゆるルースニングによる狙い方が効果的ではあるが、シンキングラインで川底をトレースする狙い方も有効である。したがって、ロッドも8〜lO番位のタックルが必要となります。


サクラマスの狙いかたは?


まず第一に、サクラマスが何処を通って川を昇って行くかを考える事です。川には、それぞれ変化があり、その変化のあるスポットを絞る事から始めます。変化とは、堰堤、淵や瀬等でサクラマスが遡上し始めて上流域に達する迄に、一時的に身を寄せる場所がどの様な形でどの程度あるのかと言う事です。変化の無い川程絞りにくく、リスクの大きい釣りをしいられるでしょう。川に入ったサクラマスは川底を這う様に上流を目指す為、必ずと言って良い程川の深みを通ります。その為、堰堤の下や落ち込み等にポイントを絞り込むと良いでしょう。又、水深のある緩やかな流れの底にも複数のサクラマスが群れている事があります。
ミノーを使う場合、最も有効な狙い方にU字メソッドと言うのがあります。U字メソッドとはミノーを川の上流ヘキャストし、川の流れに乗せてリトリーブしラインがU字から一直線になる直前にミノーが反転し、サクラマスにアピールすると言う狙い方で、流れの速い水深のあるポイントでは、かなり効果があります。スプーンで狙う場合も同じで、スプーンの沈み具合と水の抵抗をよく考えて、上手く川底近くをトレースするのがコツです。
その他、瀬に出ているサクラマスを狙う場合は、フローティングミノーか肉厚のある細身のスプーンを使うと良いでしょう。フライフィッシングで狙う場合は、基本的にストリーマー(小魚のイミテーション)を使います。ルースニングメソットは、マラブーを使ったバックテイルストリーマーを上流から下流へと流す様にトレースします。又、デシーバータイプのストリーマーをシンキングラインを使って、川底をトレースするのも効果があります。この場合、上流から下流へとキャストし十分にラインを沈めてから上流へ向けて小刻みなアクションを付けながらトレースする狙い方です。ストリーマーの色はゴールドと赤が基本ですが、時期によってはパープルやブラウン系の色にも良く反応します。


松浦昌治のサクラマスに関するスーパーべ一シック!

サクラマスは、ヤマメの降海型又は湖沼型と言われています。それでは、河川型のヤマメとサクラマスは、何処が違うのでしょう?これには色々な説がありますが、ある説によると縄張りを追われたヤマメが海へと降りて大型化するのだという説や、降海するヤマメにメスが多い事から卵巣を成熟させる為に、エサの多い海へ降りるのだとも言われています。しかし、近年遺伝子にまつわる研究が進み、次第に生物の情報伝達の仕組みが明らかにされる様になりました。サクラマスに関する遺伝子の研究は、殆どされていませんでしたがおそらくサクラマスも、元から海へ降りる遺伝子を持ったものと、そうでないものがいるのではと考えられます。その証拠と言えるか解りませんが、近年、ヤマメの放流事業が盛んに行われ、本来ヤマメの生育地で無い太平洋側や瀬戸内に面した河川にもヤマメが多数放流されています。所が、放流されたヤマメの中に海へ下り、何と70cmクラスにも成長したサクラマス?が捕獲されているのです。大型アユで有名な兵庫県の揖保川は、瀬戸内海へ流れ込む河川でもともとヤマメでは無く、朱点のあるアマゴの生育地な訳でが、3年程前に私の友人が、揖保川で62cmのサクラマス?をスプーンでキヤツチし、そのサクラマス?を調べた所、ウロコを剥いでもアマゴ、もしくはサツキマスにあるべき(朱点)が、全く見られませんでした。明らかに、ヤマメの大型化したもの?だったのです。揖保川は上流に福知渓谷があり、昔からアマゴの釣場として有名で、我々釣仲間の間でも大型アマゴ(サツキマス)がルアーで釣れると言うので密かに通っていましたが、ここ数年この様なサクラマス?が釣れる様になったとの事です。この事から推測できる事は、日本海側の河川に生育していたヤマメを捕獲し養殖生産し、本来生育していなかった河川へ放流した際にもとから降海する遺伝子を持っていたヤマメが海へ下り、サクラマス化したものと考えられます。現に、アマゴに混じって放流されるヤマメの数はそれ程多くは無く、又30〜40cm近いヤマメの個体も確認されています。同じ様に放流されても、河川に留まっているヤマメと下がるヤマメがいる訳です。又、数年前に福井県の九頭竜川で40cmクラスの朱点のあるアマゴ?サツキマス?を釣った事があります。これも同じで、もともと九頭竜川には朱点のあるアマゴは生息していません。これらの事をまとめると、日本海側で釣れるサツキマスも太平洋側で釣れるサクラマスもいわば人工飼育放流の賜物と言う事でしょうか?あまり喜ばしい話しではありませんが、出来ればサクラマスもサツキマスも純天然物がいいですね!次は、いよいよ釣り方のスーパーベーシックです。


釣り方のスーパーベーシック

サクラマス狙いのメソッドにも幾つかのパターンがありますが、よく聞くメソッドにU字効果、又はU字メソッドと言うのがあります。 これは、対岸近くにルアーをキャストし、リトリーブを始めると流心の水流にラインが引かれドラッグがかかる為に、次第にルアーが下流へと泳ぎ出し、やがて弧を描いてキャスト地点へとルアーが戻ってくる。その時のルアーの引跡がU字になる為にU字メソッドと呼ばれています。 しかし、このU字メソッドは全てのポイントに通用するかと言うと、そうではありません。 U字メソッドは、下流に泳ぎだしたルアーが川の中心近くで反転し、上流に向きを変える時の一瞬のアクションがサクラマスにアピールすると言う。要は、リアクションバイトを誘発するメソッドと言えます。その為、何の変化も無い川底で、しかもストレートな流れのポイントでは何の効果もありません。 よく、この様な川でU字メソッドで狙っている人を見かけますが、これは間違っています。何故ならば、サクラマスは何の変化も無い川底には殆ど着きません。サクラマスは何も無いフラットな川底は、殆ど通過してしまい通り道であっても着き場ではありません。従って、こんな場所でU字メソッドを試してみたところでサクラマスがヒットする確率は極めて少なく、逆にこの様な場所では下流に向けてキャストするダウンストリーム狙いの方に部があります。当たり前の事で、移動最中のサクラマスでも長い線で狙うとヒットの確率も上がると言う訳です。 それならば、U字メソッドの効くポイントとは?と言う事になりますが、分かり易く言うと川底に岩や流木などの障害物が沈んでいて流れの陰になり、川底が掘り下げられた様なスポットを狙う時に威力を発揮します。川底になんだかの障害物が沈んでいると、その影に一時的に身を潜める為、そこがサクラマスの着場となります。もともと、警戒心が強いのと淡水に体を慣らす為に身を寄せている事が多く、サクラマスを釣った事のある人には分かると思います。U字メソッドは、この様な障害物の陰にタイトに付いているサクラマスを効果的に狙うメンッドなのです。 先ず、水没している障害物の上流の対岸近くにルアーをキャストし、水流を上手く利用してドラッグをかけながら水没している岩等の障害物の影を舐める様にルアーをトレースする。 これが、本当のU字メソッドの使い方なのです。 しかし、U字メソッドにも弱点?があります。もともとU字メソッドはラインのスラックを利用している訳で、サクラマスがバイトした時ロッドティップとルアーが一直線上にあるとは限りません。ルアーがターンする前にバイトした場合、ラインスラックの為、合わせが効かずフックアップしなかったり、バラシの原因にもなります。 キャストする前に、よくシュミレーションしておく事が大切です。



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