探検釣行記 国内編
沖縄県 西表島


美しい西表島の海

仲御神島




西表島は亜熱帯地域に属し、1年を通じて気温が高く適度な降水量が豊かな自然を育てます。又、西表島にはこの島にしか見られない固有種も生育しており、学術的にも貴重な島と言えます。特に、イリオモテヤマネコは有名で、私もそれらしきものを一度目撃した事があります。その他にも、ヤエヤマオオコオモリ・セマルハコガメ・サキシマハブ等が生育していますが、私が一番興味のあるのは甲虫類でサキシマヒラタやタカサゴノコギリ・ヒメカブト等も採集した事があります。海が荒れて沖に出られない時は、いつもジャングル探検と昆虫採集を楽しんでいます。西表島には、オヒルギやヤエヤマヒルギ等のマングローブ群生地があり、これらの茂る河口域ではゴマフエダイやミナミクロダイ等も生育しています。島の周りには発達した珊瑚礁が広がり、魚種が豊富な事でも有名です。特に、トレバリー(ロウニンアジ)は多く、過去にはワールドレコードがこの島から釣られた事もありました。私が、西表島に通いだしたのは1989年頃からで、ロックフィストアングラーズリーグの岸本氏と釣行したのが初めてでした。それ以来、西表島の自然に魅せられて通う事になりましたが、何時行っても飽きない面白い島だと思います。岸本氏と釣行した頃は、丁度マリンボックスの宮城氏がガイドサービスを始めた頃で、西表島でのトレバリー(ロウニンアジ)の第一号は、マリンボックスの宮城氏に釣らせてもらいました。それ以来、西表島でのガイドは、マリンボックスさんにお願いしています。


8ポンドラインでのスマ

ロウニンアジ

ファイト中の私(手前は池田君


西表島の釣りで面白いのは、ポッパーによるトレバリーフィッシングの他にマングローブの水路でのライトタックルゲームやリーフ際でのミノーイング等が特に面白く、本州では味わえない違った面白さがあります。それも面表島は、魚種が豊富で飽きが来ないと言う事でしょう。岸本氏と初めて西表島に遠征した時は、5月のゴールデンウィークで天候には恵まれたものの潮のめぐりが悪く、初日はまったくのノーヒット。翌日は、早朝からトカキン瀬でグルクン(タカサゴ)の群につくトレバリーを狙う事になりました。(トカキン瀬)のトカキンとは、西表島の方言でイソマグロの事です。昔からこの瀬はイソマグロが多かった事から、現地で「トカキン瀬」と呼ばれる様になったとの事です。確かに、瀬の上にボートを止めてみると、見渡す限りグルクンだらけで時折何かに脅えて逃げる為かバサッと水しぶきが上がります。おそらくイソマグロかロウニンアジに追われているのでしょう。私もこのグルクンの群に向かってポッパーをキャストし、やっとの事でトレバリーがヒット!この場所は「根づれが無いので、ゆっくりファイトしても大丈夫」とのアドバイス。そして、浮上したトレバリーの口にギャフを掛けてランディングに成功!西表島初のトレバリーは約20Kgで、ファイティングタイム
は約15分でした。早速写真を撮り、タグを打ってリリースしたのですが、少し時間がかかり過ぎた為が腹を横にして浮いてしまったのです。それを見ていたデッキハンドの池田君が、再度トレバリーの口にギャフを掛け口に水を通しながら懸命に蘇生を試みたのですが、なかなか回復せず、色も次第に悪くなって来ました。私も岸本氏もこれは駄目かなと思ったのですが、宮城船長がデットスローでボートを走らせトレバリーの口に水を通した結果、徐々に回復し遂に自力で尾ビレを動かし始めました。そして、少し船速を上げ、10分近く走った頃に遂に自からギャフを振りはらう程体力を回復したのでした。そして、そのトレバリーはメンバー全員に見守られながら再び西表島の海へと帰って行ったのでした。私にとって、それ程大きな魚では無かったのですが、何より嬉しかったのはメンバー全員が一体となって
、これ程迄に真剣にリリース出来たと言う事です。これ程離れた離島でも、リリースする大切さやリリースの仕方が浸透していた事には大変驚きました。元気良く海に帰って行ったトレバリーを見て、今までにない感動すら覚えたくらいです。この時のトレバリーは今でも、忘れられない一匹となっています。それ以降も何度か西表島を訪れたのですが、行くたびに発見と驚きのある島です。一番面白かったのは、Y.N氏と8月に西表島を訪れた時の事でした。その日、午前中に釣りを終え夕食迄の時間Y.N氏と宿の近くを散歩していました。日が沈みかけた午後6時頃の事、パイナップル畑の端の茂みの中に茶褐色の猫の様な生き物を発見!恐る恐る近づいてみると、やはり中型の猫だったのです。「なんや、猫か」と思ったのですが、Y.N氏が「こいつ、もしかしてイリオモテヤマネコと違うか?」と言うのです。私は「イリオモテヤマネコってあの天然記念物の?」と聞くと、Y.N氏は「そう、多分・・顔が野生っぽいで」と言われ、私も完全に信じてしまいました。「俺らは運がいいな」イリオモテヤマネコに出会えるなんて・・。二人ともこの時点で確信していました。Y.N氏が写真を撮りたいと言ったので、私は宿までカメラと三脚を取りに帰りました。そして、戻って見るとY.N氏が石積みの上に上がり逃げようとしていると言うので、慌ててカメラと三脚を組み立て撮影に取掛かりました。「ピント合わせろよ!」とか「フラッシュがいるのでは?」とか散々協議していたところへ、やばい事に向こうから1人のオバサンが近づいてくるではないですか。このままでは、イリオモテヤマネコはオバサンに驚いて逃げてしまう・・・。「早くシャッターを切れ!」「もう2〜3枚撮っておけ!」等言われかなり焦っていました。すると、そのオバサンはいきなり、腰に吊り下げた袋に手を入れ、エサを取出すやいなや「ミーチャン、早く帰ってこんかったら暗くなるよ」とそのイリオモテヤマネコ?に言ったのでした。なんやっ飼い猫やんけぇ〜(その時、全身の力が抜け立ち直れませんでした)



ランディングされたGT

マングローブの水路

ペンションの前で拾ったサキシマヒラタ



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