探検釣行紀 海外編
ロタバンク グァム U.S.A


アガナボートベイスン

トニー・ワキ船長のボート

タモン湾沖をトローリング中



マリアナ諸島は、ブルーマーリンの濃い事で知られています。その為か、‘ファーストマーリンを’と言う人は、よく‘グァムへ行け’と迄言われています。しかし、マリアナ諸島でつれるブルーマーリンは何故か小型が多く、殆どが100キロ以下で中には30キロクラスのブルーマーリンが釣れる事もあります。カジキを研究している専門家の話によると、太平洋のクロカジキ(パシフィックブルーマーリン)はマリアナ海溝の深部で産卵し、ある程度のサイズになる迄はマリアナ海溝の周辺で過ごし北半球に回遊してくる頃には、100キロを越えてくるのでは?と言われています。そう言ってみれば、日本近海で釣れるクロカジキは、数は少ないものの逆に100キロ以下のサイズが少ないのも確かです。私がこの海域に目を付けているのは、何も小型のブルーマーリンを専門に狙っているのでは無く、キャスティングで、しかもスピニングタックルでマーリンをと言う事で通っている訳です。小型でも数が多いと言う事は、イコール、チャンスも多いと言う事です。それと、自作のトローリングルアーを試すにはもって来いのエリアと言えるでしょう。 グァム島の沖には、幾つもの浅瀬(バンク)があり、それぞれのバンクには必ず名前が付いています。私がいつもキャプテンにリクエストしているポイントがロタバンクで グァム島の北西にあります。ロタバンクは潮流れが早く波が高いのですが、魚影が濃く30メートルラインにジグを沈めるとキハダの10キロクラスがよく掛かります。しかし、サメも多く釣れる魚の約3分の1がサメの餌食になってしまいます。当然カジキの魚影も濃く、過去には1日に9回のストライクを経験した事もあります。 グァム島でボートをチャーターする場合は、アガナ湾にあるアガナボートベイスのボートが良いと思います。アガナボートベースにはグァム・インターナショナルビルフィッシュトーナメントの出場艇が集結していて、どのボートもベテラン揃いですが、キャスティングで狙う場合はティージング(集魚)してもらうデッキハンド(ティーザーマン)の居るボートを選ばなくてはなりません。


ファイト中!

ブルーマーリン 180ポンド!

50ポンドタックル


この日は、グァムゲームフィッシュアソシエイション会長の所有するビエンビアヒ48フィートでロタバンクを目指していました。途中、後部から50ポンドのトローリングロッドを2本セットし、自作のトローリングルアーを試していました。タモン湾を出て進路をロタバンクに向けたとたん、ストライクがあり早速マーリンとのファイトが始まりました。それも、岸からさほど離れていない様な場所でヒットとは・・・さすが!グァム島の海。と思いやジャンプと共にバラシ。気を取り直し、再びトローリング
開始、今度は日本で実績のあったお寿司屋さんでもらったアワビの殻で造ったルアーを、試してみる事にしまし。しかし、私の自信作もキャプテンには気に入られなかったらしく、‘シイラルアーか?’とまで言われました。後で判った事ですが、グァムでは殆どがダブルフックの「タコ型」ルアーで、日本の漁師さんが使う「イカ型」は全くと言っていい程使いません。それで、キャプテンが不思議がったのでしょう。ところが、30分もしない内に再びストライク。今度はバラさない様にと慎重にファイトし、約30分程のファイトで無事ランディングに成功。何と!ロタバンクに着く迄に、マーリンをキャッチしてしまいました。そして、ロタバンクに近づいた時巨大なトリヤマに遭遇。キャプテンの話では、スキップジャク(カツオ)とヤングアヒ(小型のキハダ)の群れとの事、そこでカツオを釣りそれでディーザーを作る事になりました。小型のビニールベイトをながすなり、カツオが入れ食い状態で釣れて来ました。そして、釣ったカツオの目の上をワイヤーで貫通させ、スキップベイトを作りカジキのチェイスを待ちました。ブリッジから見てみると、スキップベイトの直ぐ後から真っ青なムナビレをしたマーリンが追ってくるのが見えました。しかし、そのマーリンはベイトを少し突いただけで、Uターン。大きく裂けたスキップベイトを見て、キャプテンが日本語で「SASHIMI TABERU?」何でやねん!グァム迄来て。あまりにも食いが悪いので、今度はフックを付けたカツオで再度トロール開始と思いや、5分も経たない内に又もブルーのヒレが・・・。ところが、こいつもライフベイトに反応はしているものの、バイトには持込めず。キャプテンが船速を上げたり下げたりと巧みにアクションを加えますが、そいつは全く食いつこうとはしませんでした。最後の手段で船速を落とし、ベイトを沈めたとたんストライク!リールの逆転する音が鳴り、キャプテンがリバースを掛け充分に飲み込ませ、GO!の合図でフックアップ。ところが可笑しな事に、このカジキは全くジャンプせず下へ下へと潜ろうとするのです。私も何度かカジキとファイトした事がありますが、こんなヤツは初めてでした。それでも1時間以上ファイトし、遂に船べりまで引き寄せたのでした。ところが驚いた事に、姿を見せたのはカジキでは無く推定150キロはあるかと言うタイガーシャーク(イタチザメ)だったのでした。カジキがサメに化けるとは・・・?おそらく船速を落としベイトを沈めた時に間違えてサメが食ってしまったのでしょう。カジキの多いロタバンクは、又サメの多いエリアなのです。


名艇アイランドガールU

ランディングされたブルーマーリン




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