Fジギングシークレット Part-1「ジグの色って関係あるの」


メタルジグの色って関係あるの?

よくある質問の中に「ルアーの色って関係あるの?」と聞かれますが、この質問にはいつも「多少は・・・」とか「ある程度は・・・」としか返事のしようがありません。と言うのもよく釣れる時には、ほとんどの色のルアーに食ってきますから・・・。それでは、メタルジグの色って関係ないのかと言うと、そう言う事でもありません。昔からよく「魚は色盲だ」と言われます。しかし、色盲と言っても人間が昔の白黒テレビを見るように見えるかと言うと、これだけは違うと言えます。たとえば、サケ科の魚は産卵が近くなると雄は鮮やかな赤味を帯びた体色へと変身します。いわゆる婚姻色というやつで、体色を変える事によって雌の感心を引き、産卵行動へと導くわけで、明らかにサケ科の魚は、ある種の色に特別に反応する様です。その証拠に、スウェーデンのABU社やベーテ社、アメリカのジョンソン社がサケ・マス用に製造している(スプーン)にはほとんど(赤)もしくは(オレンジ色)のセルロイドの小さな板がスプリットリングにフックと共に装着されています。この事から見ても、サケやマスが赤系の色になんだかの反応を示す事に間違いないと思われます。それでは、ジギングの対象魚として人気の高い、ブリやヒラマサは何色に反応するかと言うとこれは大変難しい事で、まずブリやヒラマサには婚姻色はありません。それに、ブリやヒラマサの泳ぐ水深は、深いところでは100メートル以下と言う事です。ダイビングをしている人なら分かると思いますが、いくら透明度の高い沖縄のような海でもほんの10メートルも潜れば、ほとんどの色はまわりの色に同化し、よほど近くで見ないとその色を識別する事は出来ません。

ジグの色って関係あるの? ヒラマサ95センチ(鳥取沖) カンパチ23キロ(高知県室戸岬)
それでは、ブリやヒラマサを釣るには、ルアーの色は関係がないかと言うと、これもいちがいには言えません。ブリやヒラマサ等の回遊魚は遊泳力に優れ、捕食時には、水中を8ノット〜12ノットで泳ぎ小魚を捕食するわけで、その際瞬時にして、ベイトを何らかの感覚で識別し捕食します。当然その物(小魚)の大きさやシルエット、あるいは臭い等もあると思われますが、色を感じるにはその物から発する(光)があります。ルアーの色が見えるのも水中に差し込んだ太陽光線がルアーと言う物体に当り反射した光がブリやヒラマサの目に入る為、見えるわけで真夜中のジギングではブリやヒラマサは、ほとんど釣れません。となると、ルアーは(色)よりも(光)と言う事になります。確かにメタルジグとして市販されているルアーの90パーセントは、フォログラムやスケールシートによって光るように作られています(この場合の光はルアー本体が光るのではない)。魚が光に反応する事は、よく知られている事で大型魚のカジキ類やマグロ類を釣るトローリングルアーのヘッド部分には昔から天然の貝が使われています。又、アメリカでの事例ですがバラクーダと言う非常に光に強く反応する魚に金髪の女性ダイバーが頭を噛まれたと言う事故もあるぐらいです。それでは、メタルジグの色は、光っていれば関係ない?と言う事かと言うとそうとも言えない様です。ブリやヒラマサにだけ限って言える事かも知れませんが、活性(食い気)の高い時ほどアトラクターな派手な色によく反応し、活性の低い時ほどナチュラルでスローな動きに反応する様です。結論から言うと、活性の高い時は、水中でよく見える蛍光色の派手なルアーを使うと効果的と言えるでしょう。
ブリ 1m グローカラー(蓄光)の効果は? グローカラーにヒットしたクロソイ
それでは、実際に水中で見た場合、どの様な色のルアーが良く見えるかと言う事をこのページを見た人にお教えしましょう。実験の場所は、和歌山県の某ダイビングスポットで実際に私が潜って確かめた結果です。この日、用意したメタルジグは、いずれも100グラムから200グラムまでの物で、蛍光色では、ピンク・黄緑・オレンジ・白の4色と赤・青・黒それに表面にウロコ模様が刻まれたリアル系のジグを2個用意し、実際に水中に入れて見た結果、水深10メートルでルアーの距離3メートルくらいでは、蛍光色のルアーはほとんど色を識別する事が出来たのに対し、青と黒だけは、もうすでによく見ないと識別が難しく、陸上ではリアルに見えたウロコ地のジグはすでにリアルには見えなかった。さらに20メートル近く潜って見ると、蛍光色の黄緑と白は、ほとんど同じ色に見え、ピンクもよく見ないと色がわかりにくく、オレンジ色はさらに黒っぽく見え、赤や青や黒は、ほぼ同じ色に見えた。この時点でリアル系のジグは、水中の色に同化し、本来のリアルさはまったくと言っていいほどなかったのに対し、一番最後まで見えた色と言うと蛍光色の白だった。わずか20メートルくらいですでにこれくらい色を見分ける事が難しい。となるとそれ以下の水深になるとはたして色を識別する事が出来るのでしょうか。今のところ私にもそれ以下の水深に潜った事がないので解りません(ただいまプロのダイバーに依頼中です)。グローカラー(蓄光色)の効果については今のところ分かりません。と言うのも、私自身、蓄光が光るくらいの深さに潜ったことがありません。けれども、根魚に関しては多少の効果はあるようです。あまり色の事を細かく書くとルアーメーカーさんからクレームが来る場合もあるのでこれ以上は書けませんが後はアングラーの判断にお任せします。しかし、様々な色や形、コンセプトがあるからこそルアーフィッシングが面白いと言う事は言えます。
ハンティングタイガー190gにヒット
したブリ(三重県石境沖)
ヤイバジグ120gにヒットした
ヒレナガカンパチ(高知県足摺岬沖)
ヤイバジグ100gにヒットした
サワラ(京都府宮津沖)



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