L ソフトルアーで巨鯉を釣る裏技


(鯉釣り)と言うとイメージするのがネリ餌を使った吸込釣りや、浮子を使ったノベ竿釣り、あるいは最近流行?のフライフィッシング等があります。

 それではルアー(疑似餌)でコイを釣る事は出来ないか?と言うとそうではありません。事実、バスアングラーがワームで巨大なコイを釣ったとか、ミノータイプのルアーにコイが食って来たというのを良く聞きます。これにはそれなりの理由があって、まず成魚と中成魚とでは食性が違うと言う事です。コイ(Carpcommon)の場合、50〜80cmクラスの中成魚だと、ほとんどが雑食性で、しかも捕食パターンから見ても水底の泥の中に棲む小型の水生昆虫や水草、あるいは藻等の植物を好んで食べます。しかし、80センチ(成魚クラス)になると、かなり食性が荒くなり、小型のカニやザリガニ等の甲殻類の他、タニシやシジミ等の貝類、さらにはオタマジャクシやヨシノボリ等の小魚まで捕食しています。この事から見ても大型のコイは、ルアーで釣れるという事が言えますが、問題はコイの性質と捕食行動にあります。コイの感覚器を見ると、口元に1対のヒゲがあり、そのヒゲである程度の味覚と生物の発する微妙な波動を感じる様です。又、嗅覚も発達していて、濁った水の中や夜間でも釣れる事から判ります。特に大型のコイになると、いったん水面に出て空気を吸い込み、口先を水底の泥の中に突っ込み、エラブタから取り入れた水と空気で泥をふかしながら、水底の小動物を探し、口ヒゲを使って餌と確認してから吸い込み、エラの奥にある咽頭歯を使って細かく砕いて飲み込む様です(水族館の水槽観察でも判る)。その為、コイが水底で餌を捕っている時によく気泡が水面に浮かび上がります。これは(コイの泡付)と言って、コイ釣り師から見ると、コイの通る道を確認する上で目安となります。そこでコイをルアーで釣るとなると、コイの食性上やはりハードルアーよりもソフトルアーと言う事になりますが、最近では集魚を目的とした成分の入っているルアー(疑似餌)が販売されており、形状も様々で、カーリィティルやリボンテイルのワーム系の物から小型のザリガニをイミテートした物、又は、魚の卵をイミテートした球状の物まで市販されています。

ヘビーキャロライナリグで バークレー社のガルプ ヘビキャロでの102cm

 次にそれぞれのソフトルアーをどの様にしてコイにアプローチさせるかで、私の場合は、20センチ程のリーダーを付けたキャロライナリグを使用しています。テキサスリグだと、コイが食い付いた時に違和感がある為か、フックアップの確立は極端に悪く、又、小さいソフトルアーを使う事は出来ません。タックルはバスタックルの代用で充分ですが、ロッドは出来れば食い込みのいいグラスロッドが使い易く、カーボンロッドだとティップが硬い為か、バイトした時に違和感を与える様です。ラインは、PEの2号か3号くらいが使い易く、出来るだけ水の抵抗の少ない細いラインがアタリを取るのには最適と言えます。

パワーグラブでのオールタックル日本記録 30lbラインクラスのワールドレコード CDラパラにヒットした106cm

 次に問題のルアーとなりますが、コイが嗅覚に優れている事から、当然集魚剤の良く効いたソフトルアーが良い様です。私の経験から言うと、同じワームでも、集魚剤の入った物と入っていない物とでは比べ物にならないくらい集魚剤入りの方がよく食います。しかし、ここで注意しないといけない事は、カーリィティルやリボンティルのワームを使う際に、必ずテイル部分を一部カットし、動きを鈍くする事が大切です。元々コイは、あまり動きの激しい物を好みません。これは動きによく反応するブラックバスやナマズと違う点です。逆に臭いや味覚にはブラックバス以上に反応する様です。ストレートワームや小型のイミテーションワーム、あるいは球状のソフトルアーを使う場合は、その必要はありません。狙い方としては、まず泡付(コイの捕食行動)を見つけ、泡付の泡の動きをよく観察し、上流からそっとリグ(仕掛け)をキャストし、水底に付くとラインを少しフカセ気味にしてアタリを待ちます。アタリは以外に小さく、ロッドチップに神経を集中していないと見逃す事もよくあります。いくら集魚剤入りとはいえ、ブラックバスの様に長い間、咥えている事はありません。ロッドチップに少しでもアタリを感じたら、取り合えず大きく合わせる事です。しかし、PEラインの強度を考えていないと合わせ切れする事もあります。

ラセン仕掛けのヘアリグ ガルプで喰わせた70cmクラス パワーグラブのヘビキャロ

又、もう一つの手段として、チャミング(撒き餌)によって活性を上げ、食わせる方法があります。チャミングする場合も同じで、泡付している少し上流から、コイの吸込餌を2〜3センチの球状に丸めた物を、少しずつ撒いてから泡付が止まるのを待ってリグをキャストします。これでも食いが悪い時は、仕掛けそのものに集魚効果のあるネリ餌を付け、そこから伸ばしたリーダーに球状のソフトルアーを付けて釣る方法等もあります。又、クラブメートの三村誠氏の様に、球状のソフトルアーを今流行のヘアリグ(フックのシャンクの延長上に伸ばしたラインに球状のソフトルアーを2〜3個通して使う)にして、実績を上げている人もいますが、やはりソフトルアーを使って釣ると、生のエサを使って釣るより大型のコイが釣れる事は確かです。それに最近のソフトルアーの開発には目を見張るものがあります。これほどよく食い、生餌と違って、保存が出来、さらには100%成分解し、自然に帰るというのもすばらしい事だと思います。

90cmクラス(バークレー パワーコーンで) コイの泡づけ(大阪市 第2寝屋川) 50lbラインでの103cm 24kg


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