アカメ タグアンドリリースへの道

櫻井 由隆

 その魚を知ったのは小学生の時。 日本の淡水魚を飼育するのが大好きで毎日図鑑をながめて暮らしていました。四万十川のアカメこの魚が飼いたい、いずれはこの魚を捕まえてやる!! そんな気持ちが芽生え、それから何年後ですかね、釣り竿を振り回しルアーを投げまくりバスや雷魚、スズキやカサゴなどを釣りまくってるときに、ふと思い出してしまったのです。
幻の巨魚アカメ、俺のターゲットはこれだ! それから少しして松浦さんと出会いスプラッシュへ入会。その夜アカメについて教えてもらい、いよいよ本格的なチャレンジがはじまったのでした。 まずは四万十川へ通いました。ライズも聞けて可能性もあったのですが、3年間通いポイントを高知沿岸へ変更、新たに挑戦を開始したのです。


チョー巨大アカメバラシ!!

 高知沿岸と言っても広く広大なポイントでどこで釣れるかなんて難しくまずは漁港の釣り人やアカメ狙いのルアーマンとコンタクトを取りポイントを絞り込んでいきます。 ある時漁港でお爺さんに「ビール奢ってくれたら、教えたる。」と言われて半信半疑おごることにしました。 「ソンじゃココで投げてみー!!必ずおるきに、がんばりよ」
それから十数時間投げ続けても釣れない「あのじじぃー!!」  ポイントを奈半利川へ変えラストスパートをしていました、全く無反応でふっと爺さんに教えてもらったポイントが気になり、いちかばちか戻ることにしました。 午後2時頃スタート炎天下で頭もくらくらして、寝不足などがたたりいよいよふらふらになって、ぼーとしてるときです。 「ドスッ!!」と物凄い手ごたえがルアーをピックアップする瞬間に起こりました。足元を見ると、とてつもないサイズのアカメが私とラインでつながれてるではないですか!! しかし、しばらくは動く気配もなく、これは取れるのかも?と寝ぼけた事を考えギャフを取り出し掛けようとした時です、前方へ思いっきり走られました。何とかポンピングを繰り返し寄せ直し今度こそとギャフを出したときに、左に走られテトラへずぼっ!! ラインブレイク・・・!!!  とにもかくにも まずは、ヒットさせる事が出来たのです。

 それからと言うものは毎回、そのポイントへ通い続け、何度もアカメの顔を見れるようになってきました。しかし釣れない! リトリーブの速度はデッドスロー、ルアーはマグナムR14cm追いかけては来るものの食わない!! 8月14日、その日もいつものポイントへAM12時到着。いつもは暗い時間帯は怖くてそこには行けないのですが月明かりでかなり明るく、びびらず入ることが出来ました。 3〜4回キャストを繰り返しいてると、何やら水面がザワツキはじめ、アカメ特有のボコッ!!と言うライズ音がそこらじゅうでなり始めました。 「今回はもらった!!」心の中でそう呟きキャストを繰り返しました。 気が付くと辺りが明るくなり始め、とうとう朝になってしまいました。やっぱ駄目かーなどと呟きながら車に戻り仮眠に付きます、ふと目を覚ませばPM2時、外は夕立でどしゃ降り、「最悪!絶対無理や今回はアウトだなー」と、もう一度眠りに付きました。  1時間ぐらいたち、車のドアを誰かが叩いてます。窓を開けるとこの場所で知り合った地元のベテランO氏が普段、竿はあまり持って覗きにこないのに、今回はフル装備で「桜井サンなに寝てるんですか!最高の条件ですよ!今日は釣れますよ!早く行きましょ!!」と焦ってます。 雨の中二人であわててポイントに着くと、水面がそこらじゅうで爆発してます。大群のアカメ!すぐさま二人でキャスト開始だけど時間ばかり過ぎるだけでヒットはしません、「桜井サンちょっといっぷくしよ」とO氏は喉が渇いた模様で、「そうしましょか。」とルアーを巻きとり水面から抜き上げようとしたときです、「ドスンッ!」とアノ手ごたえが!



ファースト アカメ70cm ゲット!

 ランディングはO氏がやってくれ、写真も撮ってもらいました。以前からO氏にはキャストするポイントや、リトリーブの速度ルアー選択、アカメに適したロッドの選び方、高知のアカメポイントなどたくさんの事を行くたび教えてもらい、地元の彼らはアカメにタグを打つことに抵抗がある、と言うことも聞いており、お世話になった人の前で、タグを打つことをあきらめキャッチアンドリリースで我慢しました。 しかし、記念すべき一匹目を手にすることが出来たのです。


2001年毎週日帰り高知スタート!

 それまでは月に1回2日かけて行っていたアカメ釣行を、毎週行くと言う、大胆なことを始めてしまいました。
4月! 1発目の釣行、高知に着くなり大雨でとりあえず、AM1時頃弁当を食べながらA漁港で、海を眺めていると何やら高校生ぐらいのルアーマンが二人ロッドを持って走り回ってます。すると、私の車の前でロッドがしなり海には大きな水しぶきが! 海面からはギザギザの背びれが見えてます。そうです、着くなりアカメのヒットシーンを見せられてしまっちゃったのです!アカメ80cm思わずサイズを測りに行っちゃいました。しかし、あれだけ苦労して一匹釣ったのに、着くなり見てしまうとは、今年は絶対二匹目を釣るぞと期待も膨らみました。

9月 いよいよシーズンもラストスパートにかかり始め釣行の回数も増えていきます、松浦さんと釣行したときです、着いてからあれこれポイントを見て回り松浦さんの思い出のポイントへ行きました、着いてキャストを繰り返していると、いきなりライズ音が聞こえ、音のしたほうを見ながらリトリーブしてると水面からとてつもなくデカイアカメの顔が出ました、「松浦さん!アカメです!」とその場所へいき二人でフルキャストします。「ヒット!」松浦さんにアカメがヒットです。しかし、今まで見た事ないぐらい のされかけてます! でかい! 「ギャフとってきます!」 猛ダッシュで興奮しきっている私が、ギャフを取りに行き戻ってるときです、「あっバれた!」松浦さん残念ながら、バラしちゃいました。しかし、デカかったです。

10月に入り、この月でラストです。 数十回の釣行を繰り返し痛い目にもあわされ、いよいよ終わりです。 10月30日PM11時より浦戸湾を中心に回って時間も過ぎてゆきます。 「今年も駄目か」と落ち込み始め、「なんて無愛想な!こんなに来てるのに、ちょっとぐらいヒットしてくれてもええんちゃうん、今日釣れたら食うたんねん!」などとすねきちモードに入り、やはり「最後は、あそこや」と、過去に釣った事のある思い出の地へダッシュです。 10月31日AM3時到着。今年を締めくくるかのようにのんびりキャスト。 頭の中は一年を振り返りあれやこれやと思い返してました。 と、コツンと小さな当たりがロッドから伝わりました。「んっ?魚」と思わず合わせを入れ、ロッドを上げるとググーと引っ張られます。 「ま・さ・か!アカメ?」とその時ですジャー!とリールが悲鳴をあげロッドが絞り込まれました!その後は豪快なジャンプ3発、鰓洗いをしのぎ、何とか足元まで寄せてきました。そして、ギャフを取り出し掛けようと水面を見ると、真っ暗で何も見えません! そうですまだ夜は明けてないのです。懐中電灯を出し照らしながら掛けようと思っても手は二本、片手はロッドで片手はギャフ!仕方なく懐中電灯とギャフを片手に握り締め、かけようとしたらツルんとすべり懐中電灯は海の中え消えて行きました。すでに海は大潮の満潮で、海面も手を伸ばせば届く距離に近づいてます。何とか暗闇の中でハンドランディング! 胸にアカメを抱え、空に向かって思いっきり 「よっしゃー!!」・・・。

10月31日   アカメ   86.5cm  タグアンドリリース


「通うことに意義が有り」を胸に頑張りつづけたトロフィーです。
次はメーターオーバーです。
ファイト!!


Team Splash Yoshitaka Sakurai 



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