父島へ行こう

上田 征弘  

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 私のかねてからの希望がかなって2000年4月から翌年の3月まで父島気象観測所へ勤務することになった。 父島へは東京の竹芝桟橋から小笠原丸に乗り25時間も船旅をしなければならない。同僚や友人には単身赴任かといわれたが、もちろん家族でお引越しである。 家族で引っ越すことには確かに不安はあった。病院のことや、子供の学校のこと、妻や子供が父島の生活になじんでいけるのか、などいろいろある。けれど、私の仕事はこの後も転勤がつきまとうので、ここはひとつ、この経験をいかして家族で強くなろう、そして、南の島の開放的な生活を楽しもうというのが今回のテ−マであった。
 それとは別に、釣りバカの父親である私の今回のテ−マは、ディ−プジギングはもちろんのこと、いつも串本で使っているショアのタックルでの地磯の釣りや、堤防などからのライトタックル、それから、エギングがさかんであるというのを事前に聞いていたので、それもやってみよう。とにかく、「なんでもやってみよう」ということでいろいろやってみたが、なかでも一番釣行回数が多かったのは、島周りでのライトジギングだった。

 今回父島に来てとても幸運なことに、前年からの居残りの職員が、20ft位の小型船を所有していたことと、その職員が釣りが好きでジギングに興味をもっていたことである。 そんなわけで、休みのたびに釣りに出かけることとなった。小型船だけに、それほど沖合いに行けるわけではないが、父島には、すぐ近くに兄島、弟島、孫島という割合大きな島があり、その島周りすべてがポイントとなった。


趣味と生活!
家庭公認釣行♪
今夜はご馳走♪


 父島でのジギングで最もよく釣れた魚は「カンパチ」と言いたいところだが、ほんとのところはアカハタやバラハタなどのいわゆる根魚で、その次がカンパチ。アベレ−ジはだいたい3sくらい。そのほかにも、ロウニンアジ、カスミアジ、カッポレ、シマアジ、キハダマグロ、カツオ、スマガツオ、カマスサワラ、などの魚が釣れた。釣り方は父島も潮岬も同じでショ−トピッチでもジャカジャカでもスロ−でも斜め引きでもヒットする。ルア−は、ハオリやセイルジグなど非対称で平べったいものがよくヒットした。カラ−はブル−やピンクなど定番的なカラ−のほかにグリ−ンやイエロ−などのカラ−がヒットルア−になることが面白かった。
 ところで、私は父島でのジギングで不安に思うことがひとつあった。それは、いつかザトウクジラを釣ってしまうんじゃないかということである。正確には釣るではなく引っ掛けるだが、いつも釣りにいっていたポイントは12月から5月のザトウクジラがやって来る時期には、この場所で頻繁にブロ−やジャンプを繰り返していたので、もしかしてこの下にもいるんじゃないかなと心配していた。
  そのほかにも、船で海に出るといろんなものに出会えた。バンドウイルカにハシナガイルカ、マンタやカジキなども見ることができた。まったく豊かな海である。 そんな生活も、2001年3月にはもう終わりで同僚や島の友人に見送られ小笠原丸に乗ることになった。小笠原丸の船中では、「帰りたないなあ〜」ということで家族3人の意見が一致した。結局、家族3人がそれぞれに父島のことを好きになっていた。

岸の近くにも
ザトウクジラが・・・


  最後に、父島をふくめ小笠原は、釣り目的だけでやって来るにはあまりにももったいない長期滞在型のリゾ−トです。釣りやダイビングができない人でも野生のイルカといっしょに泳ぐドルフィンスイムやシュノ−ケリング、それからホエ−ルウオッチングなんていうのもあんがい楽しいものですよ(ザトウクジラがあんなに見事にぶっ飛んでくれるとは思わなかったので不覚にも感動してしまった)。 以上父島のPRでした。

シュノ−ケリング中の息子


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