宮島トローリングルアーズ ファーストマーリンへの道

宮島 康彦

(画像はクリックすると大きくなります)

〜 プロローグ 〜

 今から数年前の夏、会社でのお得意様に「カジキを釣ってみたい」と言われて接待することになったのですが、その時の私の心境は(カジキなんて国内ではそう簡単に釣れるハズが無い!!)と思っていました。 そして、以前からシイラのキャスティングでお世話になっていた三重県錦港の鯛屋「宗丸」をチャーターして、初のトローリングとなった訳です。 今まで私は、ジギングやGTなどのビッグゲームは経験があるものの、トローリングに関しては、全くのド素人。タックル、ルアー、全てレンタルタックルでの釣りとなりました。午前6時に錦港を出航し、ルアーを流して1時間。何のアタリもありません。(今日は一日、寝て終るなぁ〜)と思っていた矢先のことです。突然、船のスピードが上がったと同時に「カジキ!カジキ!すぐそこ!!」と言う船長の声。後ろを見ると背ビレを出して水しぶきを上げながら、ルアーにチェイスしているカジキの姿が・・・!すぐにストライクし、強烈な勢いでラインが出ていきました。そのファーストランの凄い事・・・。そして、数回にわたるジャンプ、テールウォーク!この時の躍動感と興奮は、今までに味わったことの無いものでした。(本来、接待したお客様がファイトする予定だったのですが、ビールの飲みすぎでダウン。私がファイトすることに・・・ラッキー!)30分足らずのファイティングタイムを経て、無事キャッチしたカジキは、2.9m・95kg私にとってのファーストマーリンでした。この時点で、私は見事にカジキにハマってしまいました。

以上が、トローリングを始めたキッカケです。

    

ファーストマーリン
95kg 2.9m
左に同じ


〜 現実は厳しい!! 〜

 それからの私は四六時中カジキの事ばかり考えていました。全て借り物のタックルで釣ったカジキでも、あれだけの面白さがある。更に、自分のタックルとルアーで釣る事が出来たら、もっと満足感を得られるのでは?と思い、まず80ポンドクラスのロッド、リールを3セット、それにいろいろな、メーカーのルアーを購入しました。全部合計するとかなりの金額になったと思います。そのルアーを使い、翌夏チャレンジしましたが、現実は厳しく他のボートが何本もキャッチしているにも関わらず、私のルアーにはストライクどころかチェイスすらありませんでした。1シーズン、ノーストライク、ノーチェイス。これが、私の1年目の成績でした。

〜 なぜ?多くの疑問点 〜

 他のカジキ漁師は、1シーズン何本もカジキを釣っているのに。何故、私にはヒットすらないのか・・・?同じ数ヒットして、私のリーリングが悪く、バラシて釣れないとかの事だったら、自分の腕が悪いのだから諦めも付くし、改善もできるが、どう見てもそれ以前の問題である。なんせ、ヒットがないのですから・・・。そうです。問題は、トローリングルアーのヘッドだったのです。漁師の皆さんも、口を揃えて「ヘッド」の良し悪しが、釣果を大きく左右すると言っていました。 その後、私はカジキ漁のエキスパートの漁師に何度もルアーを見せていただきました。そのルアーは全て手作りで貝を貼り合わせて作ってあり、眩いばかりの輝きを放っていました。私の持っていたホログラムに目玉が付いただけのルアーとは、全然別物でした。しかも、沢山持っていて色々な貝で作ってあり、その日の天候・水温・水色などによってセレクトするようです。 こうして、私は自分でルアーを作る事を決心しました。

〜 試行錯誤 〜

 その年のオフシーズンに、私は三重県から和歌山県のトローリングルアーを製作している漁具屋さんや漁師を訪ね、ルアーを譲ってもらい、それを自宅で分解し作り方や、構造を解明していきました。 ルアーの作り方は、誰も教えてくれませんからね・・・。企業秘密ですから・・・。作り方も十人十色。料理人と同じで、教えてもらうんじゃなくて盗むんです。後は、試行錯誤の繰り返しで、なんとか理想のカタチになっていきました。材料の貝類に関しては、串本海中公園の宇井さんにお願いして、学名と英名、産地等を調べてもらい、自分で輸入しました。(仕事上、インドネシア・タヒチetcにルートが在ったので割と簡単だった)工具などは、ホームセンターで使えそうな物を購入したが、全く使えず無駄遣いになった物もあったりして大変でした。

〜 遂にキャッチ! 〜

 やがて、2年目にして3.5m、145kgのカジキを、自分の作ったルアーでキャッチすることができ、現在に至る訳です。(購入したルアーでは、すでに何本か釣っていましたが) 今では、ストライクの無い日は、殆んどありません。毎年、5本位はカジキをキャッチしています。私のルアーは、何故釣れる様になったのかは、多くの漁師さん達がアドバイスや指摘をくれたことと色々なルアー製作者の集合体だからだと思います。私は、自分の目と耳で感じてきた良い物は全て吸収し取り入れます。その中で、更にオリジナリティーを付け加えていきます。これからも、試行錯誤はずっと続くことでしょう。

      

145kg  3.5m
左に同じ


 現在、私は、静岡県・三重県・和歌山県の漁具屋さんや各地のトローリングルアービルダーの方に材料の貝の卸販売をしたり、お客様のご注文に応じてルアーを制作販売しています。興味のある方、これから始めようとしている方は、以下をご覧下さい。

 

白蝶貝ヘッド
黒蝶貝ヘッド
オリジナル・ポッパー


●宮島トローリングルアーズ プロダクトのページへ●




■Splash World topに戻る■



index に戻る